30代の初頭まで土器ばかり見ていました。いや土器しか見ていなかったと言ったほうが正確かもしれません。それこそ夜行で目的地へ移動して、すぐさま整理事務所に入り、時間まで土器を見て、時には実測をして、他にはなにも見ずに、また夜行で帰るといったこともしていました。でもある日なにか違うなと感じました。その後つとめて遺跡とその周辺をみてまわるようにしました。なにか見えたような気がしました。最近は、歴史系諸分野の研究者が集う研究会は珍しくなくなってきていますが、そのなかでも現地見学をともなった研究会が増え、しかもその見学も、単に遺跡だけにとどまらず、そのまわりの景観や風景を含めた視野の広いものになってきているように思います。今年の秋はそんな研究会が多いですね。そんな時じゃないでしょうか、けっこう歴史系諸分野の研究者間で対話が成立するのは。楽しみです。もちろんちょうどそこで発掘していればそれもいいですが、掘っていなくてもちっともかまわないのです。歴史研究を深化する新しい方法が動きがしている振動を感じます。でも、その先端に参加するためには、たくさん遺跡を調査して、たくさん遺物も勉強しないと、もちろんいけない。思いつきでは構造は語れません。そもそも歴史学というものは蓄積の学問だからあたりまえなのかもしれないけれど、だから、でもやっぱり、これから学ぼうとする人は大変かもしれない。くじけず頑張りましょう。
歴史研究を深化させる新しい研究法の振動